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太陽系を囲む太陽風の形は丸くない
July 5 - 2008 - 太陽系

Image credit: NASA/JPL
via JPL
NASAは7月2日、惑星探査機ボイジャー2号の観測データを分析した結果、太陽系を囲んでいる太陽風(ヘリオシース)は丸い形ではなく、潰れた形だと発表した。
これはボイジャー2号が予想よりも早く、太陽風と星間ガスが混じり合う場所、末端衝撃波面(Termination shock)を通過したことで確認されたもので、研究成果は7月3日付けの科学雑誌「ネイチャー」にも掲載されている。
既にボイジャー1号が2004年12月に末端衝撃波面を通過したため、ボイジャー2号は2番目の末端衝撃波面通過である。しかし、ボイジャー2号には直接太陽風の速度や密度を測定できる観測機器が搭載されているため、今回様々なデータも取得できた。ボイジャー1号にも同様な機器が搭載されているが、もう稼動していない。
ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、木星、土星、天王星、海王星を探査し、現在太陽系外へ向かって飛行を続けている。また、ボイジャー2号と同年に打ち上げられたボイジャー1号は、ボイジャー2号よりもさらに太陽系外で飛行し、現在、地球から最も離れた人工物でもある。
■Voyager Squashes View of Solar System
http://www.jpl.nasa.gov/news/features.cfm?feature=1774
なお、太陽系と太陽圏について、以下の解説も参考のために掲載しておく。
(1)太陽系とヘリオスフィア(太陽圏)
太陽系には、範囲を最遠の惑星とする「太陽系」と、太陽風が届く範囲(100AU以上)とする「ヘリオスフィア(太陽圏)」の2つの考え方がある。太陽風とは太陽コロナから放出されるプラズマのことで、非常に早い速度を持ち、オーロラ、人工衛星の故障の原因やソーラーセイルの原動力でもある。太陽は絶え間なくこの太陽風を放出している。
(2)末端衝撃波面(Termination shock)
太陽系は銀河の中心に回っているため、太陽は四角八方へ太陽風を放出している一方、太陽系の外からは星間ガスが絶え間なく太陽系の中に注ぎ込まれている。非常に高速な太陽風がこの星間ガスと出会い、減速する境目が存在し、その場所が末端衝撃波面(Termination shock)である。
地球上で例えるなら、末端衝撃波面は川と海の境目(汽水域と呼ばれる)に似ているかもしれない。川の淡水が海に流れ込み、塩辛い海水が逆に川に流れ込み、その境目(多分、目ではわからないが)が、太陽風と星間ガスが交じり合う末端衝撃波面と似ている。
(3)ヘリオシース(Heliosheath)
末端衝撃波面を超えると、太陽風は急激に減速する。ここから太陽風が消えるまでの領域をヘリオシース(Heliosheath)と呼び、減速した太陽風と星間物質や星間ガスなどが交じり合うと考えられている。
(4)ヘリオポーズ((Heliopause)
太陽から放出された太陽風が星間ガスと衝突して、完全に星間ガスが溶け込んでいる境はヘリオポーズと呼ばれている。ここが太陽圏の終端であり、太陽からここまでの領域の全体が太陽圏、つまりヘリオスフェア(Heliosphere)である。
(5)バウショック(Bow Shock)
太陽圏は銀河の中を公転しているため、ヘリオポーズの外側には、星間ガスが衝突してできた衝撃波面が存在すると考えられている。これはバウショック(Bow Shock)と呼ばれている。
Written by sorae.jp編集部宇宙班
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