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暗黒物質は丸くない、すばる望遠鏡が観測

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Dark Matter observed by Subaru Telescope
Image Credit: 国立天文台

国立天文台は4月27日、すばる望遠鏡による観測から暗黒物質の分布を明らかにしたと発表した。

光で観測できない暗黒物質(ダークマターとも呼ばれる)は、銀河などの天体を構成する「見える物質」よりもはるかに多く存在し、重力による影響で天体をまとめる役割を果たしている。恒星が集まって銀河を作るのも、銀河が集まって銀河団を作るのも、ダークマターなしには考えられない。

数百を超える銀河の集団である「銀河団」は、実は巨大な暗黒物質のかたまりでもある。その暗黒物質はどのような形をしているだろうか? 太陽や地球は、重力でまとまって丸くなっている。しかし、巨大天体としての暗黒物質では事情が違うようだ。

国立天文台などの研究チームは、すばる望遠鏡を用いて、地球から約30億光年の距離にある18個の銀河団における暗黒物質の分布を調べた。その形を平均すると球ではなく、やや潰れた形(短い軸が長い軸の半分になった楕円体)だったという。

研究チームが暗黒物質を「見る」のに使ったのは、「重力レンズ」効果である。強い重力を持つ天体の近くを通る光は曲がるが、これは暗黒物質にも当てはまる。すばる望遠鏡が実際に観測したのは、80億光年離れた銀河の集団だ。透明なガラスの塊を壁紙の前にかざして、模様の変形から形状を推測するように、暗黒物質の分布を間接的に求めた。

暗黒物質はなぜ丸くないのだろうか。

標準的な宇宙論では、暗黒物質同士に働く相互作用は重力以外にほとんど存在せず、個々の粒子の動きもにぶい「冷たい」状態だと仮定されている。そうだとすれば、ビッグバンの後、「見える物質」は次々とくっついて複雑な形状の天体を作ったが、ダークマターは変形がゆっくりで、ビッグバン直後に残された巨大スケールの構造を維持しているはずだ。

すばる望遠鏡の観測は、先行していた暗黒物質の理論を裏付けた。今や「暗黒」物質は、工夫次第で居所もつかめて、性質も調べられる対象となりつつある。

■すばる望遠鏡が捉えた暗黒物質分布の「ゆがみ」
http://subarutelescope.org/Pressrelease/2010/04/26/j_index.html

Written by sorae.jp編集部星空班

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