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ピンク・ネブラ vol.11

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IHI suborbital spacecraft
Image credit: IHI

2009年7月9日@つくば

「日の丸サブオービタル宇宙機」

 ヴァージン・ギャラクティック社のスペースシップツー(SpaceShipTwo)を始め、これまでサブオービタル宇宙機は欧米での開発が先行していましたが、日本の重工2社も独自のサブオービタル機のコンセプトづくりを始め、つくばで開催された第27回ISTSで発表されました。

 三菱重工業(MHI)が検討したのは、8人乗りでジェットエンジンと液体酸素ケロシンのロケットエンジンをそれぞれ2基ずつ搭載した一段式のサブオービタル宇宙機です。事業性や市場性をトレードオフして得られた結果も反映された設計になっているとのこと。一方、IHIはコンピュータでの独自の設計手法により6万5000パターンから様々な条件で評価して絞っていく方法で、ジェットエンジン2基と液体酸素メタンのロケットエンジン一基の一段式のサブオービタル機が最終的な基本設計になりました。

 欧米で開発、または構想されているサブオービタル宇宙機は、垂直打ち上げ型、垂直打ち上げ水平帰還型、水平打ち上げ水平帰還型の1段式のもの空中発射の2段式のもの、ロケットエンジンのみ、ジェットエンジンも搭載しているものなど、いくつかのスタイルがありますが、両社ともデルタ翼の一段式で、ジェットエンジンとロケットエンジンの両方を搭載した基本デザインが出てきたことに興味深いものを感じました。“開発”は別次元の話かもしれませんが、日の丸サブオービタル宇宙機の実現に期待したいです。


TIS
Image credit: Parabolic Arc

2009年7月20日@サンノゼ

「サブオービタルに飛び立つ先生を選定」

 毎年7月に開催されるスペースフロンティアファンデーション(SFF)主催のNewSpaceカンファレンスの最終日、SFFが米国ロケットアカデミーと進めている先生をサブオービタル機で宇宙に送るプログラム「ティーチャーズ・イン・スペース(TIS)」に選定された7人の先生たち、“パスファインダー7”の発表がありました。

 TISは2007年に米国で旗揚げされたプログラムで、サブオービタル機で宇宙飛行を体験した先生が、宇宙や宇宙開発のすばらしさを生徒たちに伝える使命をもった「宇宙大使プロジェクト」。全米中の応募者の中から、テキサス、オハイオ、アリゾナ、ニューヨーク、コネチカットから7人が選ばれました。中にはNASAの先生を宇宙に送るプログラムの最終選考まで残った先生や、無重力実験をしたことのある先生もいてパスファインダー7の宇宙度はかなりのもの。サブオービタルの飛行機会はXCOR社、アルマジロエアロスペース社、マステンスペースシステム社、ロケットプレーン社、プラネットスペース社から提供されます。元NASA宇宙飛行士のリック・シーフォーステストパイロットがXCOR社のEZロケットで実施した飛行体験の訓練を受けるなど、パスファインダーはもう既に“始動”。宇宙旅行時代、先生の活躍の場も広がります。

■Teachers in Space
http://www.teachersinspace.org


Spaceport
Image credit: Misuzu Onuki

2009年9月11日@京都

「宇科連でスペースポートパネル」

 第53回宇宙科学技術連合講演会(京都大学)で「スペースポート~日本における商業宇宙港の建設を目指して~」のタイトルで、たぶん日本では初めてスペースポートについてのパネルディスカッションが行われました。昨年の宇科連で日本の宇宙ベンチャーパネルが実施されたのに引き続き、宇科連の中では異色だったと思います。

 前半は、具体的なスペースポート構想や、宇宙関連施設、無重力実験、宇宙機開発などの発表で、そこで既に日本にスペースポートが必要であることの統一見解がはっきりしていましたが、フロアの意見が更にそれを支持してムードは盛り上がり、スペースポート実現のための課題やロードマップについてなど、活発な意見が続きました。最後には、まずはオールジャパンの体制を作り、サブオービタル宇宙飛行について普及啓蒙しつつ、スペースポート実現するための最初の1歩としてスペースポートに特化したシンポジウムを開催するという提案でパネルディスカッションが終了しました。世界各地で誘致が活発化しているスペースポートですが、日本の宇宙産業が産業としてもっと自立するためにも、宇宙開発と他産業とのシナジー効果により多面的に展開して産業としてもっと強くなるためにも、実現に向けて動きが始まったことにおいて、意味深いパネルディスカッションになったと思いました。

Written by 大貫美鈴

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