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ムーンな想い vol.07
February 20 - 2009 - 寺薗淳也
「H-IIA15号機打ち上げが示す予感(前編)」

Image credit: JAXA
1月23日、曇天の種子島の空に、ロケットの炎と煙が突き刺さっていった。
温室効果ガス測定衛星「いぶき」、そして、7つの小型衛星を搭載した、H-IIA15号機(業界では単に「F15」と呼ぶ)の打ち上げである。
今回の打ち上げは、2つの意味で、今後の日本の衛星開発、そして月・惑星探査にも、大きな影響を与えるだろう。
まず、「いぶき」に注目したい。この衛星の規模は、どちらかというと「小型」である。JAXAの分類としては中型ということになるが、いずれにしても、過去の地球観測衛星---例えば、「みどりII」や「だいち」と比べるとかなり小さい。
「いぶき」は、「みどり」「みどりII」の機能喪失という苦い経験を踏まえて作られた衛星である。搭載センサーの数を抑えて設計し、アンテナやパドルを二重化。障害が発生しても機能を持ち続けることができる。
H-IIロケットの完成以降、日本の衛星はひたすら大型化の道を進んでいった。それは、搭載可能重量に見合うだけのペイロードを供給することが必要、という考え方であった。「みどり」は3.5トン、「だいち」は実に4トンという大きさだった。当然それに合うようにセンサーを大量に積むことになった。「いぶき」の重量はその半分、1.75トンである。
この「大量センサー方式」、実はよく考えてみると、月・惑星探査でもみられる。「かぐや」である。
14もの科学機器を搭載する「かぐや」の方式が、サイエンスを進めていく上で最上の方法だったか。それは、歴史が判断していくことになると思う。今のところ、いろいろなサイエンス機器によるデータが続々と解析されており、「かぐや」は非常に成功した探査と考えてよいであろう。
しかし、ミッション機器が増えれば増えるほど、それをとりまとめるシステムは複雑化していく。電力や雑音、搭載位置など、調整すべき項目は、機器が増えるほど増大する。調整項目が増えれば、準備期間が長くなり、ミッションの間隔が開いてしまう。
そうなれば、ミッションに関与していく新しい人を育てていくことは難しくなるだろう。
その意味では、「大学院生が研究として取り組み、在籍している2年、ないし5年間の間に成果が得られるミッション」、そして、それを継続的に行う、ということが必要なのではないだろうか。また同時に、探査の頻度を上げることが重要である。
搭載センサーを絞った中・小型衛星であれば探査頻度も上げることができる。5つ程度のセンサーを搭載した中型衛星を4〜5年間隔で打ち上げれば、大学院生の在籍期間にもちょうどぴったりはまることになる。もしもう少し間隔を開けざるを得ないのであれば、中間的にセンサー1〜2つ程度の小型衛星を打ち上げるという手もある。
今後、月・惑星探査においても、少量のセンサーを搭載し、それによって実現されるサイエンスを練り上げた探査が主流となっていくであろう。実際、次期金星探査PLANET-Cでも、搭載センサの数は5つである。
「かぐや」のような大型探査は、まさに「アポロ以降最大の大型探査」という言葉とともに、永遠に残ることになるのではないだろうか。
Written by 寺薗淳也
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