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宇宙飛行士になるには vol.09

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「チームプレー」

JEM
Image credit: NASA

5thstar_管理人_日記 より転載。

2008年の北京オリンピックで金メダルを受賞した日本女子ソフトボールチームの活躍はすばらしかったですね。どの選手も輝いて見えましたが、私はその中でも特に上野投手のピッチングやインタビューに注目していました。

ピッチャーという守備位置は、野球やソフトボールの9人のチームの中で唯一、相手チームの攻撃に対して試合のテンポや攻めの姿勢を決められるポジションです。と同時に、何試合も続けて投げることで、自分の肩や腰の強さや制球力との厳しい自問自答が求められる孤独な闘いのポジションでもあります。

私自身は子供の頃からとてつもない運動音痴だったので、上野投手やプロの野球選手の華麗なるプレーとはとても比べることはできませんが、エラーをしてもチームにあまり迷惑をかけることのないピッチャーの役を小学生の頃からずっとやらされていました。そのおかげで、ピッチャー直撃の打球をまともに受けたアザが今でも太ももに残っていたりしますが、ヘボなりに自分のペースで打者と立ち向かうことのできる役割がだんだん好きになっていきました。キャッチャーの思惑通りのコースにボールを投げてバッターを見事三振に打ち取ることができた時に味わう楽しさは、ピッチャーならではの醍醐味です。

宇宙開発事業という観点から宇宙飛行士の役割を考えてみるとどうでしょうか。ロケットや宇宙ステーションなどは周辺機器の開発まで含めると、何万人もの関係者の夢と希望が詰まった大プロジェクトです。宇宙飛行士は一人だけで宇宙開発事業を進めることなどできません。プロジェクトの最後の一歩を何万人もの関係者に代わって達成する、それが宇宙飛行士という仕事です。

人類初の宇宙飛行を成し遂げたユーリイ・ガガーリンがなぜ世界初の宇宙飛行士として選ばれたのかについては、ソ連の宇宙開発計画の総責任者コロリョフ博士がその人柄を好んだから、という説があります。温和で社交的な性格のガガーリンは、工場で完成したヴォストーク宇宙船に乗りこむ際、技術者に敬意を払って靴を脱いだ、との逸話が伝えられています。

宇宙開発は生身の人間によって支えられています。同僚として働くことになる先輩宇宙飛行士もまた生身の人間です。あなたが宇宙飛行士として選ばれるためには、宇宙開発の現場で働く人々や先輩宇宙飛行士たちから「うん、こいつと一緒に仕事をしたら、期待通りの成果を出してくれる」と思ってもらうことがとても大事です。

宇宙飛行士選抜とは、一種のお見合いのようなものです。二次選抜では徹底的な健康診断や心理テスト、体力テストなどの他に、受験生同士のグループでチームを組んで困難な課題を共同で解く訓練や、JAXA役員との面接試験などが行われます。JAXAの役員に「この人と一緒に仕事をしてみたい」と思ってもらうことが大切です。もしかしたら、試験会場でたまたま隣に座っている人とも将来、宇宙で一緒に任務を遂行することになるかもしれません。

前回の三次選抜では心理テストの一つとして、「野球のチームの守備位置に例えるとしたら、他の受験生と自分自身をそれぞれどのポジションに割り当てるか」という課題が出されました。この結果がどのように評価されたのかは私にはわかりませんが、「自分が考えている自分自身の立ち位置と、仲間が自分を観察して適切であると考える立ち位置がうまく一致するか」という観点を見ていたのだろうと推察します。

私は自分自身を「ピッチャー」に割り当てました。子供の頃からの癖がここで思わず出てしまった訳です。他の受験生が私をどう評価したのかはわかりません。コロリョフ博士ならきっと私を選ばないような気がしています。

記憶が正しければ、私自身は古川さんをサードに、星出さんをショートに、山崎さんをファーストに割り当てました。いずれもしっかりとバックを守ってくれる、頼りになる人たちです。

あなたは周囲の人たちから頼りにされていますか?

Written by 5thstar管理人

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