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宇宙飛行士になるには vol.05

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「職場との関係」

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Image credit: 5thstar 管理人

5thstar_管理人_日記 より転載。

今回、JAXAが募集する宇宙飛行士は1名から3名程度です。10年間、募集がなかったので、何人が応募するのか、まったく予測がつかないですが、前回が864人だったので、今回も1000人弱くらいではないかと考えます。

ということは、宇宙飛行士になるための競争率は300倍から1000倍の間。じつに狭き門ですね。応募する人のほとんどが、選抜の途中で不合格となって、涙を飲むことになります。

JAXAが求める応募書類には、家族が書く「応募に対する家族の意見」という欄がありますが、職場の上司などの推薦書は最初の段階では必要ありません。2次選抜までは職場に内緒にしておいても、とりあえず受験することはできます。第0次の英語試験と1次試験は週末に行われるので、週末が休みの人は仕事を休まなくても受けられますし、2次試験では筑波宇宙センターに一週間、缶詰めにされますが、会社に毎朝「今日も体調がすぐれないので、お休みします」と電話をかけ続けて試験を受けた猛者もいます。

試験設備の収容人数の関係で、3次選抜には今回も8人がチャレンジすることになると思いますが、この8人にはこのとき初めて、職場の上司からの推薦状を出すようにJAXAから求められます。なにしろ3次選抜を受験する、という人は、もういつ何時、宇宙飛行士としてJAXAに転職してもおかしくない、という状況なわけです。

職場に内緒で応募するか、あらかじめ上司や同僚に打ち明けてから応募するか、というのは悩みどころです。

「自分は1000人中の997人のほうにまわるだろう」という自信があるのなら、職場に内緒で受験する、というのも一つの選択肢です。

でも、もし仮に万が一、3次選抜まで進むことになった場合、いきなり推薦状を上司に突きつけて、「これ、書いてください」というよりも、自分が何をやろうとしているのかを事前にわかってもらった上で応援してもらった方が、精神的にも落ち着きます。

とはいえ、上司や職場のトップがすんなりと応援してくれるかどうか、というのは、それぞれの組織で大きく異なるようです。宇宙航空関連業界の大企業であれば、「いや、じつは俺も若い頃、応募したことがあるんだよ。お前ならきっといい線いくぞ。がんばれ!」と、背中を押してくれる上司と出会う可能性も高いかもしれません。実績ベースではJAXAとかMHIとかIHIとかJALとかANAとか...

大学や公的研究機関の研究者であれば、自分の進退は自分の自己責任である場合が多いでしょうから、結果責任さえ取る覚悟があれば、比較的自由に受験できると思います。指導教官の性格にもよりますが... 毛利さんの著作によれば、毛利さんが当時所属していた研究室の教授は、当初、毛利さんを応援していたけれど、2次選抜、3次選抜、と進むにつれて、だんだん機嫌が悪くなっていったようです。

民間の会社では、直属の上司が応援してくれても、会社のトップが「うん」と言ってくれないケースも考えられます。特に会社のお金で何年か留学させてもらっていたような場合、英語力や海外滞在経験がJAXAに対しては有利に働きますが、有能な若手を引っこ抜かれる会社の側からすれば「誰のおかげでここまで育ってきたと思っているんだ!」と言いたくなる気持ちもわからなくもありません。

実際のところ、最終選抜にまで残るような人ほど、元の組織にしてみれば、手放したくないというのが本音でしょう。JAXAはその辺りの事情を見極めるために役員が一軒一軒、最終選抜者の職場のトップを訪ねて挨拶にきます。

宇宙飛行士選抜受験といえば、究極の転職であり、ヘッドハンティングです。転職のことばかりを考えるような人を警戒する一方で、相手の組織が手放したくないと思っている人をいかにして円満に採用するかに関してもJAXAは細心の注意を払っています。

JAXAのある人によれば「周囲の人を味方に付けて、物事を円満に解決していく能力、も、宇宙飛行士の資質のうち」だそうです。自分を理解し、応援してくれる上司や同僚や家族に恵まれているか、というところで、すでに選抜試験は始まっています。

Written by 5thstar管理人

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