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サラリーマンが宇宙に行っちゃいます! vol.05
April 16 - 2008 - 稲波紀明
「宇宙旅行へ旅立つ決心をしました!!」

Image credit: NASA
昨日の昼食時にファウンダーシートの繰上り当選の連絡を受けました。
世界中でたった100人しかいない、世界最初の宇宙旅行者になれる権利です。
今の私は望めば宇宙に行けます!
私が一言「宇宙に行きます!」と言えば、宇宙に行けるんです。
ですがあれほど行きたがってた宇宙にいざ行くとなると、やめる事を考え始めました。
旅行会社から連絡を受けた時には「もう少し地球に留まらせて下さい、一旦保留にさせて下さい」そう答えてしまいました。
これまで仕事に追われて、宇宙に関する記事を調べたり、 テレビを見たりする事なんて無かったんですが、ちょっと調べてみました。
私が宇宙旅行当選の連絡を受けた時が2005年の夏です。
その時は野口聡一さんを乗せたスペースシャトルが国際宇宙ステーションに向けて飛び立っていました。
2年前にはスペースシャトルのコロンビア打ち上げ時に燃料タンクの一部がはがれ、翼に傷がつきました。
傷は目立たないので危険だという認識自体無かったんですね。スペースシャトルの翼に傷がついた状態で大気圏に突入し、スペースシャトルは爆発しました。乗組員は全員死亡です。
その事故の後、最初の飛行がこの時期にありました。
NASAの威信をかけ、スペースシャトルでこのような事故が二度とおきないよう万全の対策がとられた後の最初のフライトでした。
ですが野口さんの時も打ち上げ時に燃料タンクの表面がはがれ落ち、耐熱タイル、翼のタイルまでも剥がれ落ちました。
NASAが万全の対策をしても、事故は再び起きるんです。
人間のできる事には限界がある、同じ失敗を再び犯すんだ・・・。
この数日間だけでも、スペースシャトルに関する記事が満載でした。
スペースシャトルの船外活動、翼の傷の補修、地球への帰還延期・・・。
宇宙に行く事自体が、かなり危険だということがわかりました。
国家プロジェクトであるスペースシャトルでさえも、未だに安全な乗り物ではありません。
事故を克服しても新たな障害が発生し、常に死と隣り合わせです。
打ち上げの時の傷はスペースシャトルならば、宇宙飛行士が船外に出て修復できます。
しかし私の乗る船はそんな事はできません。
打ち上げ時に傷がついたら、そのままなんです。機体が燃え上がるのを承知で大気圏に突入しなければなりません。
このまま宇宙に飛び立ったら、 かなりの確率で・・・・・・、
死ぬんじゃないか。
わざわざ死ぬ為に地球を出発するんじゃないのか・・・。
そんな恐怖が目の前に浮かんできます。
昨日は宇宙への夢と私の死を天秤にかけながら、 眠りました。
クーラーをかけっぱなして、椅子に座ったまま、
電気も消さずに、歯も磨かずに眠りにつきました。
ぼーとしながら、私が飛んでいる機体が空中で爆発して、私が死体となって、足が吹き飛んで、腕がちぎれて、大気圏から燃え尽きながら私の首が降ってくるところを夢見ました。
宇宙船が爆発したら、私が死んだ事も気づかずに死んでるかもしれない。
それが私の将来の姿かも。
楽しそうに無重力の中を、宙に浮いて、好きなだけくるくる回ってたり、 目の前に広がる青い地球を背景に記念撮影をしている姿、私が生まれ育った地球を感慨深げに眺めている自分も想像していました。
そして朝、目が覚めました。
天気は快晴。
クーラーをつけっぱなしにしたにもかかわらず、 シャツがぐっしょりとぬれているほど、寝汗をかいてました。 やたら喉が渇きます。
いつの間にか椅子で寝た為、背中が痛い。
電気も消さなかったので、眠りは浅い。
間違いなく目覚めが悪い朝のはずだが・・・、 頭の中はすっきりしていました。 なぜか気分はすがすがしい。
朝起きたら、昨日の不安もどこかに吹っ飛んでました。
深呼吸したら、全身に力がみなぎってくる気がします。
『宇宙旅行』。朝起きて、そんな言葉を思い出したとき、 思わず笑ってつぶやいてました。
「・・・行こう。」
「考えたってしょうがない。私は宇宙に行って、地球を見たいんだ。」
黎明の中で、宇宙に行く決意をした瞬間です。
Written by 稲波紀明
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