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サラリーマンが宇宙に行っちゃいます! vol.04

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「宇宙旅行の当選を知った瞬間!」

soba
Image credit: Noriaki Inami

宇宙旅行の抽選会は終わった。

既に私は宇宙旅行とは無縁の日常に戻っていた。
規則正しいサラリーマン生活だ。

毎日朝早く起きてスーツを着る。満員電車に揺られて会社に行く。
夜遅くまで仕事をする。仕事が終わったらお酒を飲む。

単調だがやりがいのある仕事に恵まれ、毎日が楽しく過ぎ去る。
充実したサラリーマン生活を過ごしていた。


ある日、お昼に会社の同僚とランチを食べに会社を出る。

「どこに行こうか」「お蕎麦にしよう」

勤務地周辺にはほとんど飯屋はない。
選択肢は少ないが、その日はお蕎麦を食べる事にした。

そのお店はお寿司屋さんだが、お蕎麦とお寿司がセットになったランチセットがある。
職場から近く、値段も手ごろで860円だ。お昼になるとサラリーマンに埋め尽くされる。

1階は混んでいたので、2階に通された。2階はお店の主人が住んでいる部屋を片付けて、
机と座布団を配置したシンプルな部屋になっている。

畳にしみもあり、障子に穴も開いている。
そんな使い込んだ年季を感じるところが、逆に私に人間の営みと親近感を与えてくれる。

店員に注文内容を伝えるのに、インターフォンは無い。
廊下まで行って大声で1階にいる店員さんを呼ぶ。

そんな家族経営で細々とお店を営んでいるが温かみがある、
愛情を感じるお店でお蕎麦を食べ始めた。

その日は日差しが強く、障子を抜けて入ってくる光線がぽかぽかして、
どこか心地よい。落ち着く雰囲気になった。

今日は何か良いことが起こりそうな予感がする。

そんな田舎の温もりを感じるお店で、
お蕎麦をツルツル啜っていた時に、携帯電話に電話がかかってきた。

「稲波さん、おめでとうございます! 
あなたは宇宙旅行に当選しました!」

突然テンションの高い声で、話しかけられた。
誰が話しているか、何の話題かも分からなかった。

電話を切って、しばらくは狐につままれたような顔をしていたと思う。

内容は、宇宙旅行の当選者が辞退したので、
次点の私が繰り上がって宇宙旅行に当選したそうだ。

それで当選を確定する為にお金を振り込んで下さい、という事だ。
旅行代理店に宇宙旅行の金額を1%を振り込む事になっていたからね。


会社の同僚に相談する。

「宇宙旅行に当たっちゃったみたい。
それでお金を振込む必要があるみたい」

「あやしい、きっと振込詐欺だ。
君は世界初の宇宙旅行詐欺にあっている!」

「間違いなく、宇宙旅行の抽選会をテレビで見た誰かが、
いたずらでもしているに違いない。」

新聞各社のニュースや、ネットを調べても、
宇宙旅行者の当選者が辞退したなんて記事はどこにも出ていない。

私が宇宙旅行の当選連絡を受けた時には、
世界初の宇宙旅行詐欺にあったと疑った。

お金を払えって言われても、絶対に騙されるもんかって心に誓ったんだ。

でもひょっとしたら、宇宙旅行に当たってるかもしれない。
お蕎麦を食べ終わった後の満腹感と、お蕎麦の温かい風情が私にそんな淡い期待を抱かせた。

旅行代理店に私から電話をして、宇宙旅行の担当者に確認できた時、
初めて宇宙旅行に当選した事が真実だと分かった。


これが、宇宙旅行に当選した瞬間だった。


しかし、宇宙旅行に当選した事を確認できても、
私は当選した事を確定せずに、一時保留にしてしまった。

まだ私は宇宙に行けない。そんな気になった。

(理由は、次回で明らかに・・・)

P.S.ちなみに宇宙旅行の当選連絡を受けたお店は無くなってました。
名古屋で有名なおいしいお蕎麦を参考写真にしてみました。

■稲波紀明の宇宙旅立ち日記
http://blog.livedoor.jp/gogospace/

Written by 稲波紀明

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