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ORGONIC∞HORIZONS Vol.04

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「大阪:D.I.Y.カルチャーは宇宙をめざす」 深沢慶太

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「みんな宇宙人! 実はあなたも宇宙人!!」

??鳴り響く言葉。突然の雷撃のように鳴り響き、新皮質の奥も奥、原始脳の深層に埋もれた太古の意識を呼び醒ます。……みんな宇宙人……私も宇宙人……。

言葉を発した本人はごく当然のこと、といった表情で泰然としている。あふりらんぽ。「関西ゼロ世代」の名でいま注目を浴びつつある新世代バンド群、その中核をなす女性2人組。自ら標榜する“脳味噌すっぽんぽんロック”の語そのままに、社会化の過程で獲得された“常識”や“通念”の薄膜をひっぺがして、自らが住まうこの場所こそが宇宙の一部なのだということを、一瞬にして体得させる。

あるいは、いまアンダーグラウンドなクラブシーン愛好家たちの間で話題を集める、大阪はなんばの巨大歓楽ビル「味園ビル」内、高度成長期のゴージャス感がそのままに腐敗したようなグランドキャバレー、その名も「ユニバース」。同ビル地下の元キャバレー「澳門(マカオ)」は、遊び場を求める若者により、球体や三角錐などの形而上学的オブジェや蛍光色のデコレーションが渦巻くディープスペース空間へと変貌を遂げている。

その、溢れるサイバーパンク感。廃墟一歩手前の都市空間をD.I.Y.的に再構築し、新たな宇宙観を描き出す試み。たとえば、「クズだからこれしかできなかった」と語る既知臨界突破型宇宙系バンド:ZUINOSINの拠点のひとつは、財政破綻したブチ切れファンシー風味テーマパーク「フェスティバルゲート」(パステルカラーの城郭からジェットコースターが突き出ている)の元展望レストランと思しき空間を再利用したクラブ「BRIDGE!」だ。

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なぜだ。なぜ、かの地にはより濃ゆいFUNKNESSがDOPEに渦巻き、独自電波送受信系ともいえる唐突で突飛な表現をして、それぞれにACIDでPSYCHEな宇宙を描き出しているのか。黒人音楽がともすればP-FUNKやDetroit Technoのように宇宙的情景を描き出すのと同じように、ごく私的なところに端を発する野太いSOULがいつしか恒星間宇宙のような深淵な広がりへと到達してしまう、そのスピード感。
おそらくは、経済的背景も相まって、大阪が元来湛えている、遊びに対する創意工夫精神がD.I.Y.のかたちで発揮され、そうした宇宙的表現へと結びついているのだろう。

一方で、宇宙科学技術の発展とはすなわち、D.I.Y.の積み重ねである。大量の火薬を背負い飛翔を夢見た古代中国の先達しかり、単発のロケットをたばね倒して人員を宇宙へとブッ込むソユーズロケットしかり。さらに、東大阪市の中小企業が打ち上げを目指す人工衛星「まいど1号」またしかり。
ならば、D.I.Y.精神の薫るところに宇宙あり。ということはできないだろうか。

D.I.Y.は宇宙をめざす。その言葉を掲げつつ、このたび発刊となったフリーマガジン「Public/Image.」Vol.2の、関西アンダーグラウンド新世代特集、拙稿の結びの文章を以下に示したい。

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(掲載されている紀行文末尾の文章は修正前のものが誤って掲載されてしまったものである。
 こっちがホンモノ)

「そう、アホでいいのだ。なけなしの稼ぎや人生を費やすその行為、廃墟を利用した遊び場そのものに至るまで共通した、D.I.Y.にしてPUNKな姿勢を、アホと読み替えてみればいい。ジャンクヤードを生き抜くために必要な笑いは、アホから生まれる。東京にしても直下型大地震など、ジャンクヤード化の原因はそこここにある。大阪は実は先進的なのではないか。理詰めで積み重ねた砂上楼閣が一斉崩壊した現代にあって、アホこそは豊かな生きざまを生み出すクリエイティブな原動力なのだ。アホになれ!!
 ??タクシーは新大阪駅へとひた走る。私は拳を握りしめ、カコイヨシハル(ZUINOSIN)の言葉を思い返していた。『今の世の中、なかなか狂うことなんてできない。だからこそアホで狂ったことをしていかなければ』。」

 D.I.Y.、創意工夫の積み重ねで、いかに人をブッ飛ばすことができるか。一途ゆえにアホともいえる試みの果てに、もうひとつの“宇宙”が広がっている。


(※「Public/Image.」Vol.2は以下でフリー配布予定。
  BEAMS-T各店鋪、UNIT、RNA各店鋪、And A各店舗、BBS TOKYO、世田谷ものづくり学校、
  Tokyo Hipsters Club etc.
  詳細は http://www.nwba-japan.com/

 ※図版はいずれも「Public/Image.」Vol.2より。
  図版1:Artwork: Ippii Photo: 桑島薫
  図版2:Graphic & Art Direction: Kenjiro Harigai (Adapter)
      Photo: Woo/Far  Model: Zuinosin
  図版3:Design: Kenjiro Harigai (Adapter) Photo: Woo/Far)

Written by 深沢慶太

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