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地球の男に飽きたところか? Vol.03

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「二度目は笑劇として 青山一郎」


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 毎年正月には飼犬のファニー(フレンチブルドッグ・黒・♀)に、日頃の扶養とご愛顧に感謝する芸を奉納させています。さて今年の曇天の新春、薄物をまとったファニーは、拙宅のマーク・レビンソンのステレオをポチッとやると、イギー・ポップの『I wanna be your dog』に合わせて、薄物を肩から落としたり、後肢を上げたりを始めました。一連の所作を見るにつけ、私も年なのでしょうか、年頭から目頭が熱くなる思いでした。

 同居生活も10年、生まれたてのかわいらしかった頃の初心を忘れて小賢しい口を叩くようになる犬の慢心をいさめるべく、「なんだ座敷犬のくせに!」「世間知らずのメス犬が人の一丁前の口を利くな!」と厳しく躾けてきた私ですが、なかなかどうして、ファニーも健気に学習する犬でした。少しでも社会を知りたい、と、帰宅後にテレビを見る私には必ず寄り添い、眠い目をこすって自己研鑽に努めていたものです。

                「この方が、一郎さんの好きなゴダールさん?」
                「いや、彼はやはり監督だが、山本晋也監督だ」

 あの時、『オトナの社会科見学』で見た舞を、主人(私)への奉納ダンスとして見よう見まねで再現しているファニー。努力に胸をうたれました。という訳で前置きが長くなりましたが、アハッピードッグイヤー!

 さて、団塊世代の大量退職スタートの2007年を控え、この戌年に注目したいのは、<2回目消費>です。
 歴史は繰り返す、1度目は悲劇として、2度目は笑劇として。消費行動は繰り返される、2度目もあっさりと。
 これからの、【第二の人生】は、それまでのライフスタイルからの断絶的なリタイヤメントではなく、ゆるやかにリニアな連続性の中に続くべく、選択される傾向になるでしょう。具体的に着目すべきライフイベントとしては、<定年退職>のみならず、<離婚>、<倒産>、<転職>、<出産>。これまでのように、物語性溢れる転機として、生活者の意識に幕なり陰なりを落とさない方向に進むと思われます。つまり、「おりない人生」。

 【マインド構造改革】という分析と概念化もありましたが、そんなことでは「おりない」よ、という消費者心理が男性層で注目された数年前に続き、さる2005年は女性層に照射されたといえるでしょう。(合コンしたいかどうかは別として)新たなセグメントとして注目された 『NIKITA』誌ですが、私自身が興味深く思うのは、たとえば別層とも認識されがちな『STORY』誌にも、シングルマザー、離婚、起業などが積極的に特集されていること。
 マーケティング的フレームと牽引にはもっとも巧みな版元の一社ともいえる 光文社 が、『別冊女性自身』として『JJ』を創刊したのが1975年。そして、『CLASSY.』、『VERY』で育った女性の40代の<お立ち台>として機能する『STORY』にも、行動パターンとしての<バツイチ女性>類型がシルエットロマンスのように浮かんでくる。

 つまり、コンサバとされる層においても、栄誉ある撤退は、過去のスタイルに。男の老成は<ちょい枯れ>に、女は経験値を悟りではなく<武器>に。さながら憲法9条改変のごとく、自己愛による威嚇・自己愛の行使が紛争解決と平和のために合法化され、景気は回復の一途です。カクシテ、チキュウノヘイワハ、マモラレタ!
 イギー・ポップの歌詞を引きつつ、犬として月に吠える気分で、また次回。
 Now I'm ready to close my eyes
 And now I'm ready to close my mind And now I wanna be your dog… 


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Written by 青山一郎

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