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KNN神田の未来からの手紙 Vol.03
January 14 - 2006 - 神田敏晶
「中国の高度成長がもたらすもの ?2010年の未来から?」 KNN神田

2006年の日本は、長いバブルの凋落からの景気回復に沸いていた。株価の好調、企業力の回復、消費の活性化。団塊世代の大量リタイア直前でサービス産業も好調になりだした。
新聞配達、コンビニの店員に外国人がいるのは当たり前、レストランやファーストフードもアジア人だらけ。もはや日本人ではサービス産業が勤まらなくなってしまっている。
若年層も、なぜかフリーターでなく、ニートでも十分に暮らせてしまう便利な世の中になってしまっている。就労率は落ちるばかり。それに輪をかけ、少子化のあおりを受け、単純作業であるサービス産業では、常に労働力を賃金の安い外国人にゆだねなければならなくなっている。
その外国人の中でも、中国人留学生たちは、安い賃金で使われながらも、日本の文化やビジネスルールを常に肌で感じ学習していた。慣れない日本での暮らしも、5年も経過すると、漢字に抵抗がない国民性ゆえ、日本の暮らしに見事に同化してゆく。
そして、2008年の北京オリンピックでは、中国選手の躍進ぶりに、国家としての推進力が強まった。そして、2010年の上海万博では7000万人もの来場者を集め、世界最大の博覧会の開催国としての自信を見せた。
これと同じ状況がかつての日本にあった。
1964年、東京オリンピックの年、東海道新幹線が開通し、日本は世界にむけて、戦後を脱却した近代ニッポンをアピールしていた。1970年の大阪万博で文化や精神的にもアメリカナイズされた国へと進化を遂げた。日本にとって、1ドル360円時代のアメリカは、まさに夢の国であったが、240円時代を迎えて、アメリカ経済の背中が見えてきた。そして120円時代に入り、もはやアメリカは気軽に行ける外国のひとつで憧れでもなくなっていた。
その現象が中国と日本の間でも起きている。
日本がアメリカを見て、成長したように、中国は日本を見て、対日感情をむき出し、猛烈に追い上げた。
本来、歴史的に日本は中国を見習い成長してきた国だ。しかし、経済大国としての名の上にあぐらを組んでしまった日本に進化はなかった。また、その中で育った子供たちも努力をしらなかった。自国のマーケットに満足している間に世界から取り残されてしまったのだ。
日本語も、経済的に魅力のなくなった国の言語として、英語や中国語におされがちだ。若者に外国人が増えたことによって、地上波デジタルも英語と中国語の番組を流し始めた。完全にこの国は、以外なところから国際化してしまった。
生産力も製造力も、中国の人件費が向上し、ある分野においては、中国の下請けを日本の中高年が引き受ける現象があらわれはじめた。元気ある団塊の世代のリタイア組が、食えなくなった年金以外の収入を少しでも稼ぎはじめたところから、労働力の値崩れに火がついた。
年金リタイア組の安い労働力は、勤勉な高度成長期時代をすごしたインテリ層をも刺激した。企業の歯車ではなく、熟年起業家として自分の会社をつくり、ネットでいろんな仕事を自宅でおこないはじめたのだ。しかし、働いても働いても、楽にならない構造には気づいてはいなかった。団塊世代のライバルが多すぎたからだ。
2010年、今、日本は観光大国となり、中国からのお客さんを相手にしたサービス産業が活況だ。街中では、日本語よりも中国語の方がビジネスに有利な場合も増えてきた。かつて、サービス産業で従事していた中国人たちは、本国からの観光客を相手に会社を興し、かつてのコンビ二の店長やオーナーを逆に雇用する立場となっている。
もはや新聞配達員は、健康志向の強いLOHASタイプの日本人に変わり、お金持ちの中国人のために、人民日報日本版を届ける日々となる。
少子化の進んだ日本は、元気な老人が集まる高齢化社会となり、若者はすべて外国人に頼らざるをえない国になろうとしている。
もっと早い時期に、子供を1人生むたびに、500万円分の税金および、消費税の還付などの方針を打ち出すべきであったと政府は反省している。2006年には、小学6年生まで児童手当を優遇するという措置しかなかったので、誰も子供を生もうとはしなかった。福祉の進んだ北欧並に国力としての子供を育てる経費を限りなくゼロにする努力を国がやるべきであったのではないだろうか?
中国の経済が目を覚ましてしまって今では、もう遅すぎた……
13億人以上の向上した食欲と開眼してしまった文化的知的欲求を満たすほど、地球上の資源はもう何も残ってはいないからだ。
Written by 神田敏晶
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