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Dice-Kより皆様へ
March 11 - 2006 - Dice-K

一昨日報道されたようで、様々な方から励ましのメールを頂き
ました。有難うございます。
一言:
「宇宙に行って無事に戻ってきます」
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宇宙旅行について、詳細をどんなものなのかざっと説明します。
まず旅行の契約書にサインすると、アメリカとロシアで約20
日間に渡り健康診断を行う。つまりメディカルテストだ。
宇宙に行く最大の難関かもしれない。
健康でないと宇宙には行けないのだが、物凄い精密な検査をす
るので、大抵の人はどこかしら問題が見つかる。
GMKという40人を超す医者が一同に会する会議を通過で、
メディカル検査突破となる。
訓練を初めてもいいよと通知される。この手紙をもらった時には
入試の合格通知のようで感動しつつも、いよいよロシア行きかと
気合が入る。
それから約1000時間にもわたる訓練がモスクワ郊外の
「星の街:ガガーリン宇宙飛行士訓練センター」で始まる。
モスクワの中心から車で約1時間ちょっとの場所に「星の街」
はある。訓練は全てロシア語(+英語の通訳)で行われる。
既に約7週間の訓練を行ったが、殆どはロシア語の授業と体力
トレーニングだった。ようやく国際宇宙ステーションの実寸モ
ックアップを使った授業も先週から始まった。
今後、飛行機での擬似無重力訓練やミグを使った重力訓練。黒
海での脱出訓練。森の中でのサバイバル訓練。アメリカヒュー
ストンのジョンソン宇宙センターでも2週間程度、国際宇宙ス
テーションのアメリカモジュールの訓練。
モックアップを使ったシュミュレーションや学科の授業も沢山
あり試験もある。これらはblogで出来るだけ紹介します。
今は訓練よりも授業が大部分と行った感じであるが、後半は訓
練の方が多いのかもしれない。
そして打ち上げの約2週間前まで星の街で訓練する。
(打上げは9月を予定)
その後、お隣カザフスタンのバイコヌール宇宙基地に移動して
最後の総仕上げ。この辺りからは家族以外の外部の人と面談出
来なくなる。病気にならないように隔離されるそうだ。
打上げ当日。色々なセレモニーがあり、発射2~3時間前位に
ロケットにのりこむ。だがロケットに火がついて打ち上がって
から緊急脱出用の補助ロケットが外れる瞬間まで宇宙に行ける
かわからない。逆に無重力になった瞬間どんな思いをするのか?
その時既に窓の外には地球が見えるはずだ。
打上から約8分30秒で第一宇宙速度を出して、
ソユーズTMA9宇宙船は地球の周りを回り始める。
つまり無重力状態。実際は宇宙に行くというよりかは、
物理的には地球の周りにそって落っこちるという表現だ。
永遠に落っこちる速度。
つまり重力と外に脱出する力が釣り合う速度で飛んでいる。
その速度を出すには空気がじゃまなので高いところを飛び、
しかも莫大なエネルギーが必要なので、
あんな大げさな乗り物になっている。
実際にロケットで宇宙に行く部分は先っぽのちょこっとだけなのである。
また宇宙と言ってもたった高度400kmの上空なので、東京から大阪よりも
近い距離なのだ。
※宇宙の定義は高度100km以上らしい。
まあそんな細かい事はどうでもよくって、地球を90分で1周する高さである。
3人目の宇宙旅行者のグレッグはうちの親父と同じ年(60歳)
で、彼が宇宙帰還後、昼食を一緒に食べたのだが、その時は宇
宙でのトイレの話しかしなかった。トイレはかなり問題らしい。
打ち上げから約2日後にISS(国際宇宙ステーション)にドッキングする。
その時ISSには合計6人が滞在している予定だ。
アメリカ・ロシア・日本・ドイツ合計4カ国の人が滞在するのも
ISSの建造以来初めてかもしれない。
その名の通り、インターナショナルな宇宙ステーションになる。
約8日間滞在する事になるのだが、旅行なので特にミッション
がある訳でもないので、ひたすら音楽(美しき青きドナウとか)
でも聴きながら地球や星を見続けながら無重力を満喫したい。
今回の旅の目的は「スペース・チルアウト」だから。
帰りはソユーズTMA8で帰還する。行きと帰りは違う宇宙船だ。
ちなみにTMA8は今月30日にバイコヌールからブラジル人
初の宇宙飛行士を初め3人の宇宙飛行士を乗せて打上げられる。
※この打ち上げは見に行くので、またここでレポートします。
地球得の帰還。帰りはたったの約4時間。ISSを離れたソユーズ
は居住モジュールや推進部を切り離し、再突入カプセル部分だけが、
高度400kmから自由落下する。
大気圏突入である。
その時は4から5G位かかる。高度約5km位でパラシュートを開
いて、最後にロケットエンジン噴射でカザフスタンに着陸。
出迎えのヘリと救助スタッフに抱えられて外にでる。
想像するに、カプセルの外に出て地球の空気を吸う瞬間。
どんな思いがこみ上げてくるのか今から楽しみである。
後は専用機で星の街に戻り約1週間のリハビリをしたのちに解散。
ハイお疲れ様でした。
以上が今回の宇宙旅行の全貌である。
決して他の惑星に行ったり、月面に着陸する訳ではなく、高度450
kmに浮かんでいる宇宙ステーションに1週間行って帰ってくる旅行
なのである。
今まで宇宙にはまだ500人未満しか行ってないそうだ。ロシアでも
1970年代生まれで宇宙に行ったのはマークシャトルワースに次ぐ
2人目で、大体の宇宙飛行士は40代中盤から50代が多い。ソユー
ズに乗った日本人としても2人目。※1人目は日本人初の宇宙飛行士
の秋山さん。日本人としては16年ぶり2回目。
ちなみに本日3月9日はガガーリンの誕生日でした。
彼は27歳で宇宙に行った。
また今年はガガーリンが宇宙に飛び立ってから45周年なので、
人類が初めて宇宙に行った4月12日には星の街でも何かセレモニーが
あるかもしれません。
とういう感じで宇宙に向けて元気に訓練してます。
Written by Dice-K
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