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I Feel Space - 宇宙を感じる音楽体験! Vol.04

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「ブラック・サイエンスフィクション・ミュージック」 浅沼優子


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今回はDVDのご紹介。まるでこの連載のためにリリースされるんじゃないか、っつーくらいドンピシャな内容です。しかも、ちゃっかり私が字幕付けていたりします。『マザーシップ・コネクション:ラスト・エンジェル・オブ・ヒストリー』というタイトルで、2月24日に発売されます。

これはもともと、現在音楽専門誌『remix』の編集長を務めている、野田努氏がデトロイトに行った際にURのマッド・マイクに見せてもらったのがきっかけで発掘されたという作品。イギリスのテレビ番組として制作されたドキュメンタリーです。こんなマニアックな番組流しちゃうテレビ局もスゴイ。だって、ジョージ・クリントン、サン・ラー、リー・“スクラッチ”・ペリーを中心とした、宇宙系ブラック・ミュージックにおける「ブラック・サイエンスフィクション」、「アフロ・フューチャリズム」の概念を読み解く、という内容なんですから。平たく言うと、意識が完全に宇宙までブッ飛んじゃってるこれらのミュージシャン達は、なぜそこまでブッ飛んでいるのか、その謎を大真面目に分析しちゃおうというもの。


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ホアン・アトキンスやデリック・メイ、カール・クレイグ、ゴールディー、DJスプーキーなどの90年代以降に活躍しているクラブ・ミュージックのアーティストたちのコメントを挟みつつ、黒人初の宇宙飛行士であるバーナード・R・ハリスやSF作家サミュエル・R・ディレイニーなども出演。SF小説に隠された社会的問題意識や、アメリカにおける黒人の歴史との関連性などが明らかになって行きます。

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中でも私が「へぇ?」を連打したのは、SF小説は未来を描いているのではなく、現代社会を反映しているのだというディレイニー自身の発言と、アメリカの都市部に暮らす黒人がSFの世界に引き込まれるのは、その主人公に自分を重ねているからだという意見。これは、グレッグ・テイトという黒人の評論家の意見なんですが、ヴィレッジ・ヴォイスなどに執筆しているというかなりのキレ者。語り口もインテリジェンス溢れる人。彼が言うには、SF小説の主人公というのは大抵の場合、未来の世界で強大な権力に対抗する運命にあり、それ故に一般社会から阻害されたり、孤立していたりする。それが、アメリカにおける黒人の立場と重なるからこそ、多くの黒人のキッズはSFにハマるのだそうです。なるほど。

「エイリアン」という言葉は、日本では一般的にイコール「宇宙人」という意味に捉えられていますが、英語本来の意味では「他者」、「よそ者」、「部外者」という意味なんですね。黒人はアメリカ社会で常に「エイリアン」という疎外感を感じてきた、というところに集約されるようなのです。そう言えば、 Vol. 1で書いたジェフ・ミルズもその辺りを問題意識として持っていた。なるほど、なるほど。

もちろん、こういう問題ってアメリカの黒人に限られたものではないですよね。人間誰でも他者と差別化することによって自分個人、あるいは「?人」とか「?の人」といった集団的アイデンティティを確立しているわけですから。誰でも少なからず共感できる。だからこそ、ブラック・ミュージックには普遍性がある。世界中で愛される。これを読んで興味を持った方、ぜひ見てみて下さい。

それではプレーヤーにDVDをセット、ズブズブズブっと『マザーシップ・コネクション』の深い宇宙に触れてみましょう!

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【関連URL】

リリース元のNowonmedia(近日詳細がアップされるでしょう)
 http://www.nowondvd.net/index.html


ジョージ・クリントンのオフィシャル・サイト
 http://www.georgeclinton.com/

Written by 浅沼優子

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