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Mysterious Space plus vol.03

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「有人火星探査の問題点」 Shun

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NASAの2台のマーズ・エクスプロレーション・ローバー(スピリットとオポチュニティ)は今もなお火星で活躍している。これと同時に、ブッシュ大統領の新宇宙政策を受け、NASAは再び月へと戻るため、新しい有人探査船CEV(Crew Exploration Vehicle)の開発を進めている。このCEVは月へ戻るだけでなく、有人火星探査も実現できるように、設計が考慮される。果たして、有人火星探査は本当に実現できるのだろうか、問題は山積みである。

NASA - How We'll Get Back to the Moon
http://www.nasa.gov/missions/solarsystem/cev.html

そもそも火星への有人探査がなぜ困難かと言うと、些細な問題はさておき、大きな問題となっているのが、火星?地球間の距離、そして、火星と地球の公転に伴ってくる、その距離変化だ。

まだ記憶に新しいと思うが、2003年8月、火星は歴史的な大接近をし、2005年10月、火星は再び地球と接近した。このように、火星は約2年2ヶ月ごとに地球と接近する。もし火星と地球の接近に合わせ、有人宇宙船を打ち上げると、今の技術なら約6ヶ月で火星に到着する。しかし、この6ヶ月間が問題である。宇宙飛行士が6ヶ月かけて火星に到着し、様々なミッションをこなした後、地球に戻ろうとしても、地球は既に火星から離れてしまっている。地球へ戻るには、もう一度地球と火星が接近するのを待たなければならない、つまり、1年以上の火星滞在が要求されるのだ。

未知の惑星で1年以上の滞在となると、食料・水・燃料・居住など、様々な問題が起こるだろう。しかし、例え問題が起きたとしても、地球からの救助はできず、火星で解決しなければならない。そうなると、宇宙飛行士の安全確保が難しくなり、結果的には火星から無事帰還できる確率も低くなる。これが有人火星探査において大きな問題となっている訳である。

早めにロケットを打ち上げて、滞在期間を短くすれば良いのでは?と思う人もいるかもしれないが、問題はそう単純ではない。確かに、早めの打ち上げによる短期間(数日から数週間)の火星滞在は可能だが、その分、余分な燃料を積まなければならないし、長期間の飛行も要する。また、火星と地球の位置関係が悪い場合でも、金星スウィングバイを利用すれば、火星滞在期間を短縮できるが、いずれにしても大変である。そのため、火星のサンプル・リターン・ミッションや有人火星探査ミッションなどは、火星で地球との接近を待つのが一般的であろう。

問題はそれだけではない。火星に向かう宇宙飛行士は短期間ミッションだとしても、少なくとも1年以上、地球の磁場(宇宙線から守ってくれる)から完全に離れ、宇宙線が飛び交う宇宙空間と弱い磁場しかない火星で生活しなければならない。現在の技術では、銀河などからやってくる高エネルギーの宇宙線を完全に防げないため、長期間の宇宙滞在による人体への影響は不明だ。(ちなみに、国際宇宙ステーションに滞在している長期滞在クルーは、原則として半年で交代している)

また、火星に到着しても様々な問題が待ち受けている。例えば、火星にはダスト・ストームやダスト・デビルと呼ばれる砂塵嵐現象(地球で言うと竜巻のような現象)が存在する。NASAの火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)の観測によって、ダスト・デビルは頻繁に発生していることはわかっているが、いつ、どこで、どのようにして発生するのかについて、そのメカニズムはまだ完全に解明されていない。ダスト・デビルは宇宙飛行士やベースキャンプに直接なダメージを与えるだけでなく、帯電しているため、電気機器にもダメージを与える可能性がある。これは火星に持ち込んだローバーや通信機器、さらに帰還用のロケットにも影響し、この問題を解決しなければ、下手したらロケットが壊され、地球に二度と戻れなくなる可能性も否定できない。

Mars Global Surveyor - Light Dust Devil Tracks
http://www.msss.com/mars_images/moc/2004/10/14/

このように、有人火星探査においての問題は山積みである。ブッシュ大統領の新宇宙政策には、明示されていないものの、有人火星探査についての示唆がなされている。それを実現するためにも、これらの問題を1つずつクリアしていくしかないだろう。

Written by SHUN

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