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Mysterious Space plus vol.10
July 18 - 2006 - SHUN
太陽系外惑星を探せ 中

ウォーカー博士が系外惑星探しを断念し始めた1994年9月頃、スイス・ジュネーブ大学のミッシェル・マイヨール博士の研究チームは142個もの恒星の速度を調べ、不自然な動きをする恒星を1つ発見した。その恒星はペガスス座51番星で、観測の結果、4.2日という短い周期で地球に近づいたり、遠ざかったりしていることが判明した。
■ミッシェル・マイヨール博士
http://www.unige.ch/presse/evenements/salon-du-livre/2001/chasseurs.html
慎重なマイヨール博士は、最初にこの動きが系外惑星によるものだとは思わなかった。なぜなら、4.2日周期で恒星の周りを回転している惑星なんて、存在するとは考えられなかったからだ。しかし、さらに詳細な観測を積み重ね、惑星以外の原因を1つ1つ排除していった結果、やはり、この恒星の周りには公転周期4.2日、中心星からわずか780万km、質量が木星の0.46倍以上の系外惑星が存在すると結論付けた。
そして、ウォーカー博士の「太陽系外に惑星はない」という論文が発表されてから、たった2ヵ月後の1995年10月、マイヨール博士の「初の系外惑星発見」の論文は「ネイチャー」に掲載され、世界に発表された。
「そんな異形な惑星が存在するわけないだろう。」
この発表を受けて、世界各国の天文学者たちは疑心を抱きながらも追跡観測を行った。しかし、あらゆる観測を行っても、マイヨール博士の言う系外惑星が存在していたのだ。こうして、系外惑星第1号を発見する壮絶な競争レースは幕を閉じた。
これをきっかけに、系外惑星は次々と発見され、2006年7月1日現在までには194個の系外惑星が確認されている。これだけの数の系外惑星があるなら、生命の存在も期待できそうだが、残念ながら、そのほとんどが地球とは似ても似つかない、異形なものばかりである。
発見された系外惑星のうち、最も多いのがエキセントリック・プラネット(Eccentric Planet)と呼ばれる、彗星のように離心率の大きい公転軌道を取る系外惑星である。これらは太陽系の水星軌道よりも中心の恒星に接近し、火星軌道よりも遠くなるような細長い楕円形軌道を描く。そのため、猛烈な四季変化と激しい気象現象が頻繁に発生し、生命の存在は期待できないだろう。
次に多いのが、マイヨール博士が発見したのと同じような、恒星の近くを高速に公転している系外惑星である。これらはホット・ジュピター(Hot Jupiter)と呼ばれ、中心の恒星に近すぎるため、表面温度は1200度にも達し、大気の分子までもが分解され、水素しか存在しない。そのため、エキセントリック・プラネットと同じように、生命は存在しないだろう。
観測技術の進化により、最近ではスーパー・アース(Super-Earth)と呼ばれる新しい分類の系外惑星が注目を集めている。これらの惑星は地球の数倍の質量しかなく、環境によっては岩石から形成されている可能性も高い。特に2006年5月、欧州南天天文台(ESO)は恒星HD 69830の周りから海王星に似た系外惑星を3個発見し、そのうち最も外側の惑星は氷を含み、生命が生息できる環境が整っているのかもしれない。もちろん、これらを検証する手段は今の所ないが、想像を膨らませるのには十分過ぎるほどの発表だったと言えるだろう。
■海王星に似た太陽系外惑星
http://www.sorae.jp/031003/1338.html
(次回に続く)
Written by SHUN
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