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Mysterious Space plus vol.08
April 20 - 2006 - SHUN
「なぜ有人宇宙開発を行うのか 下」 Shun

人間である以上、我々は動物や植物が山や岩石よりも重要であることを本能で知り、この広い宇宙において、生命と生命を育む環境(地球のような天体)が最も重要であると認識している。
長い間、人類を始め、動物、植物、多種にわたる生命体が地球という星で住み続けてきたが、地球は太陽の重力に縛られ、「固定」されていることも、我々は知っている。もちろん、地球上に住んでいる我々も、Dice-K氏の言うように、「重力に魂を縛られている人々」であるが、完全に「固定」されているわけではない。我々はロケットを使用して、この重力から脱することもでき、もし我々が生命を地球の外に広げることができれば、生命の可能性が広がり、宇宙での移住も夢の話ではないだろう。有人宇宙開発を行う究極な目的とは、生命圏をそこまで広げることであり、今でもNASAは地球を超えて居住環境を確立する基本構想を持っている。

人類は進化と共に、言葉や思考能力などといった強力な武器を手に入れ、地球を支配し続けてきた。それと引き換えに、地球の環境破壊も見たことのない速度で進み、今の地球は未だかつてない危機に直面していることも確かである。
最も身近な所で言えば、地球温暖化がそれに当てはまる。知恵を持った人類が化石燃料を燃やし、森林破壊などを続けた結果、大気中の二酸化炭素や他の温室効果ガスが増加し、地球表面の平均温度は年々上昇している。これによって、極地の氷が溶け、海面の上昇、異常気象の増加、生物種の絶滅など、皆さんが知っているように、様々な問題が実際起きている。このままでは遅かれ早かれ、地球は悲鳴を上げることになってしまうだろう。
また、今の地球は比較的安定しているが、小惑星や彗星と衝突する可能性もゼロになったわけではない。もし地球が他の天体と衝突すれば、SF映画のような壮絶な爆発が起き、無数の生命が絶滅してしまうだろう。
「全ての卵を一つの籠に入れてはならない」と同じように、価値のあるものは別々な場所に置くべきである。投資家の立場で言えば、これはいわゆるリスクの分散や投資の分散と同じことで、最悪の事態を想定し、複数の分野に資金を分配すべきである。
この原理は宇宙の中でも適応される。上で述べたように、宇宙の中で我々のような生命や生命を育む環境が最も重要であると考えられ、もし、今の地球で大惨事が起きてしまった場合、その重要な「物」は全て絶滅してしまうかもしれない。これを回避するためにも、我々は太陽系(またはその外)の複数の場所に生命を分散させるべきである。

このように、我々は宇宙で生きるため、そして、生き残るために有人宇宙開発を行う必要があり、それは長時間を要するかもしれない。しかし、地球に残された時間がわからない今だからこそ、それを進めなければならない。確かに有人宇宙開発は保証されていない、それを行うか、行わないかは人の選択によるものだが、この選択は今の世代だけでなく、将来何世代にも影響を与えるだろう。
人類の祖先である類人猿(チンパンジー属)が誕生したのは、およそ600万年前。我々の直接の祖先、つまりホモ・サピエンスが誕生したのは、およそ10数万年前だと言われている。一方、地球が誕生したのはおよそ46億年前。もし、地球の誕生を1月1日の0時とし、今を12月31日の24時とすれば、人類、つまりホモ・サピエンスが誕生したのは12月31日23時30分ぐらいなのである。地球の生涯を1年とした場合、我々はまだ1時間も生きていないのだ。宇宙の未来は無限な可能性を秘めているが、人類があと何分生き延びられるのか、それとも今後も生き続けるのか、それは我々の選択にかかっているのかもしれない。
Written by SHUN
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