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記録、消去、記憶。 Vol.03

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「VIRGINIA SLIMS DUO」 服部全宏

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光沢のある細長い紙の化粧箱が2つ。新しい口紅の箱でしょうか? それとも何か新しいコスメティック? よーく見ると「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。」そんな言葉が、デカデカと入っております。そうこれは、たばこなのです。
 巷の喫煙者の方々の中には早々に発見されているかたもいるかもしれませんが、11月より東京、大阪限定で発売されたもののようです。正直言って僕も気付いたのはしばらく経ってからでしたが、今までにない新発想のデザインです。2箱セットで売っていたりする銘柄もありますが、この縦長の箱が2つという、ちょうど一箱を縦に二つに割ってしまったようなものというのは初めてです。少し前に発売された、スライド式箱の時も相当驚いたのですが、今回の場合はものの大きさやかたちというものには、ある程度印象として「それが何なのか?」を瞬時に理解させるような意味が、やっぱりあるということをあらためて実感しました。2箱いっしょにパックされていると普通のたばこサイズなので、あっ、これはたばこと認識できるのですが、一旦、包装をはがすと、縦長の未知の箱に。それも、たばこの箱のサイズを縦半分にするとなぜか化粧品で使われているサイズに印象が変わってしまう。
 ……ひとのものの認識というのは案外、そんなものなのかもしれません。そして、買った瞬間から同じものが2つある感覚は、それが今までにないかたちをとっていたとしても、なぜか、それがあたりまえのように感じさせる魔力も持っていたりするから不思議です。

Written by 服部全宏

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