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sound & vision vol.04

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「ミュージシャンは銀幕でも輝く?(後編)」 経営Z


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1994年の衝撃的な猟銃自殺から10年余り。90年代初頭のたった数年間を正に嵐のように駆け抜けたバンド、ニルヴァーナのカート・コバーンをモデルにした「ラストデイズ」が今春に公開される。コバーンがモデルになっている、とは言うものの、あくまでも監督であるガス・ヴァン・サントが「彼にオマージュを捧げた」と注釈つきの、あるロックスターが自殺を遂げるまでが私的かつ抽象的に描かれた作品となっている。音楽業界からすれば、大手メジャーレコード会社がインディーレーベル所属のバンドを挙って青田買いし始める転換期において重要な位置を占めたニルヴァーナを、そうした大きなうねりの上ではなく「あるミュージシャンの死」という一つの側面にスポットを当てて見せる手法は果たして正しい選択だったのか? 評価が真っ二つに分かれそうな作品ではある。


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「○○をモデルにした」という系譜の作品であれば、近年ではグラムロックをテーマにした「ベルベット・ゴールドマイン」や、ローリング・ストーン誌の少年記者という視点から70年代ロックを顧みる「あの頃ペニー・レインと」などが印象的だ。これらの作品群には、様々な視点でアイコン化された固有のロックスターを描ききることを巧妙に回避しているともとれるが、一方で「あの人物のモデルはこのミュージシャンで、あのエピソードはこの話が元ネタだ」という、二次的な楽しみ方を提示しているとも言える。つまり「映画を窓口としてそのミュージシャンの情報を収集する事で楽しみを増幅させる」という形の知的欲求を煽る、ある意味ネット以降の映画鑑賞法を象徴するジャンルが、ミュージシャン映画なのではないだろうか。

 一方で、ミュージシャン本人が自身を演じる半自伝的映画ではプリンスによる「パープル・レイン」が思い起こされる。この系譜で00年代に入って制作された作品と言えば、マライア・キャリーによる「グリッター」、エミネムによる「8マイル」、50セントによる「Get Rich or Die Tryin'」などがあるが、これらの作品には「(ミュージシャンの)映像によるナルシズムの補完化」という側面が秘められているかもしれない。

 音楽自体が多様化し、リスナーの趣向も多様化していく中で、ミュージシャン映画はどのような進化を遂げていくのか?フィクション(映画)とノンフィクション(実在したミュージシャン)の壁を、軽々と越えていくような作品の登場を大いに期待したい。

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【関連URL】

「ラストデイズ」公式HP
 http://www.elephant-picture.jp/lastdays/


Written by 経営Z

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