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松本坊主の教え Vol.12

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祭りの季節

 昨年はじめて築地本願寺で開催された夏のライブイベント「他力本願でいこう!」が、今年も開催されることになった。ジム・オルーク/ロマンポルシェ。/古内東子/向井秀徳アコースティック&エレクトリック/エマーソン北村/サワサキヨシヒロ!という出演者の並びはもしかしたら一見奇妙に映るかもしれないが、なにしろイベントのテーマが「他力本願」だし、どうか大目に見てやってください。
 と、こんな文脈で使われることが多い「他力本願」だが、もともとは「他人まかせにする」というネガティブな意味ではなくて、仏教、とくに浄土真宗においてはとても重要かつポジティブなことば。他人の力にお願いする、のではなく、他力=阿弥陀仏のはたらき、本願=阿弥陀仏の願い、なのである。
 阿弥陀仏とは、「すべてのものを救うことができないのならば、私は決して仏になるまい」という誓いのもと、法蔵菩薩が永遠とも言える長い時間の思惟と修行を経て、晴れて覚りを得ることができた仏さま。他人の力ではなく、仏の力。自分の願いではなく、仏の願い。「すべてのものを必ず救う」という願いを成就して、仏さまが私たちにはたらき続けてくださる救いの力が、ほんらいの他力本願なのだ。
 ふとした瞬間、誰しも一度は、自分が何か大いなるものに突き動かされているような感覚を覚えたことがあるのではないだろうか。それは一歩間違うと危険な場合もあるが、人間が晴れやかに生き生きと活動するための大きな力になることもある。
 大いなるものの手のひらの上では、小さなことにくよくよしている自分が、なんだかばからしく思えてくる。そんなとき、日頃からの敵も味方もあったものではない。ばらばらの個性がごちゃまぜになって踊りだす、仏の手のひら祭り。
 いいことも悪いこともいろいろあるけど、ここはひとつ今年の夏の締めくくりに、他力本願でいこう!と思う、今日このごろである。

本願寺LIVE 他力本願でいこう!2006
2006年9月2日@築地本願寺
http://www.hongwanji-shutoken.net/tariki/

Written by 松本圭介

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